有機農業への道 3

空き家と農地を求めて、信州新町の役場に行きました。担当のSさんという方が丁寧に応対くださり、空き家のいくつかを紹介していただいたり、現在建設中のIターン者専用の住宅(他の地域から信州新町に移り住みたいという家族に優先して入居していただくという町営住宅です。)の話も伺い私たちも応募する事になりました。それから数ヶ月後の3月に応募者の抽選があり、競争率2倍の中幸運にも抽選にあたり、信州新町に移り住む事となりました。長野市の塩崎から一つ山を越えて私たちは信州新町に引っ越しました。名古屋から長野に移り住んで3年目の事だと思います。信州新町に来てから最初に農政課に行って、農地を探していると相談しました。町民に貸す農地があるからといわれて15坪ほどの狭い農地を1年間借りる事にしました。家庭教師を夜やって昼間は農業と考えていましたが、収入的には大変だったので、まだ市場の早朝のバイトに午後からの家庭教師とスケジュールは一杯でした。合間をぬって農作業をしました。ジャガイモの種芋を購入して少しだけ植えてみたり、トマトやナス、ピーマンの苗を数本ずつ購入して畑に植えてみたり、ままごとのような
農業でした。栽培面積も狭く作っている野菜も自家用に食べていただけですが、やはり自分の作ったものという事もあるかもしれませんが、市販のものに比べると随分と美しく感じられました。虫や病気にもずいぶんとやられ、無農薬で作る野菜の難しさも少しはわかってきました。秋には家族でサツマイモを掘ったりして楽しみながら農業をやっているという感じでした。信州新町に来て2年目に入り町の役場にも農地をもう少し借りたいといっていたのですがなかなか情報が得られませんでした。自分の連れ合い(妻の事です)が病院の調理の仕事をしていてその職場のMさんが畑を貸してくれるということになりました。畑を見に行ったのですが少し傾斜があったものの、面積は7畝(230坪くらい)ほどあり、自分が今までに市民菜園のようなところで借りていた規模にくらべればはるかに広い面積でした。
小型の耕運機も農協から購入し、雪解けと同時に耕し始めました。ケイフンを畑に撒き、鍬で畝をたてる。6畝程の面積でしたが結構な労働でした。こうしてファーマーとして初めて
一人で畑をやることになったのです。長野に来て5年目のことだと思います。

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