有機農業への道 6

Tさんは、毎年長野のアースデイを主催していました。Tさんはそのアースデイのイベントの中に「野菜サミット」という会合を開き、長野県在住の有機農業に関心を持つ人たちの横断組織を作ろうとしていました。私もアースデイのたびにその野菜サミットという会合には参加していました。おととしの11月頃だったと思います。そのTさんから連絡が入り今度安曇野のシャロムヒュッテ(結構有名なペンションです。)で野菜サミットを開きたいのでぜひ参加してくださいという事でした。家庭教師で忙しかったのですが、無理をしてその会合に参加することにしました。その野菜サミットの会合には、中条村で有機農業に取り組んでいるKさんや、飯縄高原で企業向けのセミナーや精神世界の講座などを会員制で開催しているSさん、小布施でソバの芽を出荷しているKさん、大手包装資材メーカを経営するNさん、鹿教湯温泉のホテルのオーナーのSさん、東部町で米作りに取り組むNさん、それにシャロムヒュッテのUさんなど色々な分野で活躍する人たちが少人数でしたが集まっていました。話のテーマーは環境保全型の有機農業をこの長野県で拡げるための作戦会議でした。私はまだそのときは家庭教師をやるかたわら農業を趣味的に取り組んでいるだけといった中途半端な立場でしたが皆さんの熱気に当てられて(皆さん本気で自分の経済的な利益をなんら求めることなく本気で取り組もうとしていたのですから)その会合を契機に自分の中に有機農業に本格的に取り組もうという方向性が固まったのでした。その野菜サミットは毎月1回今後定期的に開く事になりました。その後私もそのサミットには定期的に参加したのですが、その会合の参加者の幅の広さはとてもユニークなものでした。長野県の経済界の人たちや新規就農で自給自足に近い生活をしている人たち、県の農政課の担当者、ホテル業界の人たち、など普段全く接点のない人たちが、環境保全型農業の振興というテーマで集まったのです。参加メンバーには都会から炭焼き職人になった若者もいて、彼は日本の伝統技術を継承する事で里山文化や環境保全を図ることを自分の天職としてとらえていました。皆さんそれぞれ強烈な個性のもち主ばかりで、議論はいつも白熱しました。私もいつの間にかふるば村自然農園と名乗り、名は体を招きいつの間にかそれは実体になりました
ふるば村自然農園の渡辺と述べることで、本当にそうなっていく流れができて行ったのです。

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